槙野産業(株) 粒度調節と粉砕エネルギー

Top Page

技術情報図面転送



[[[[ 粒度調節と粉砕エネルギー ]]]]


粉砕の程度について(クラス分け)

最初に生成粒度による粉砕のクラス分けを行います。
粗砕、粉砕、微粉砕等の範囲について定説があるわけではないですが、一応のクラスを下に示します。
弊社では、各機種を揃えてこの粒度範囲をカバーしております。

クラス

粗砕


中砕

粉砕


微粉砕
生成粒度

数十cm 〜 数mm


十数cm 〜 数十μm

数cm 〜 数十μm


数mm 〜 1μm
弊社該当粉砕機

鬼歯クラッシャー、ハンマークラッシャー
カッターミル

ハンマークラッシャー、マキノ式粉砕機

マキノ式粉砕機、イクシードミル
アルピネ粉砕機、ディスクミル

イクシードミル、アルピネ粉砕機
ギャザーミル


粒度調整について

粒度調節を行なう場合には、次の方法のどれか、あるいは併用して行ないます。

1)衝撃速度(回転数)を変える。
2)スクリーン穴径を変える。
3)原料供給量を変える。(特に微粉を要求する場合)

粉砕に最適な周速は、原料によって違なりますが、粗砕では40m/sec, 粉砕では70m/sec程度、微粉砕では100m/sec 以上が必要です。
製品粒度が粗めの時には遅くすると、処理速度が稼げます。微粉の要求には、周速を早めます。
製品の粒度は、先ずおよその周速、スクリーンサイズを決め、周速を変化させて粒度コントロールをして下さい。

以下では、上記の調節内容を説明します。

[[ X-V イラスト ]]

このグラフは、横軸に衝撃速度(回転数)を取り、Vを変化させた時の生成粒度の変化を縦軸にプロットしたものです。
生成粒度は、衝撃速度に強く依存することが分かります。

[[ X-V イラスト ]]

供給量の変化に対しては粒度変化は在るものの、外乱程度だと言えます。
但し、特に微粉砕領域では、供給量を減らして行くと微粉が得られます。

[[ X-V イラスト ]]

ハンマー枚数が特に少ない領域では、粒度の変化が認められ、このデータ上では分かりませんが、過粉砕が減り粒度分布が狭くなります。
ハンマーの厚みが薄いほどその効果が顕著になりますが、当然摩耗の点では不利となります。

[[ X-V イラスト ]]

クリアランスは、微粉砕機では小さく粗砕機では大きいのは直感的に分かります。
非常に小さな領域では、粒度だけではなく処理速度にも問題を生じます。また、大きすぎる場合は粉砕出来なくなります。
クリアランスは、粒度の調整が出来ると言うよりも、むしろ機械により最適な寸法範囲があると考えた方が良いでしょう。

[[ X-V イラスト ]]

粉砕機に加えるエネルギー量を一定にして、処理量と粒度の関係を見ると、粒度を小さくすると処理量が減ることが分かります。
また衝撃速度を変えて同じ測定をすると、同一生成粒度でも、処理量が変わってしまう(粉砕のエネルギー効率が変化した)ことが分かります。

[[ X-V イラスト ]]

衝撃速度と効率との関連はよく知られていて、速度を上げるに従って効率は始め上昇し、やがてピークAをむかえ、少し効率が下がった後、再度小さなピークBがあり、その後は下降となります。
このように効率の良い粉砕には、最適な衝撃速度が存在します。この速度より大きな粉砕では微粉を得る事ができるがエネルギー利用率は減少します。
衝撃型の粉砕機ではこのピークA近辺の周速にすると、効率が良くなります。

※ その外、スクリーンやビータの形状はそれらの持っている衝撃速度を効率良く粉体に伝える事により粉砕エネルギー効率を上昇させることが出来ます。
もともと粉砕機のエネルギー効率は非常に低いので、形状による工夫は重要です。


ま と め


1. 衝撃速度の変化は粉砕物の生成粒度を大きく変化させるので粒度の調整に最も効く。
2. 粉砕系に一定のエネルギーを加えているならば、その処理量は生成粒度によって違ってくる。
3. 粉砕機への供給量を増していくと粒度も変化するが、積極利用するほどではない。
4. ハンマー枚数が多いと摩耗は減るが、過粉砕が増えX50が下がる。
5. クリアランスの変化も過粉砕に影響を与えるが、あまりいじらない方が良い。

衝撃型粉砕機では生成させる粒度によってまず衝撃速度をどの程度にするかが重要です。

超微粉や微粉領域ではエネルギー効率を無視しても速度を大にする必要があるし、中砕や粉砕では被粉砕物の
効率最大の辺りを選ぶのが良い、また粗砕では機械強度に依存することになります。

その上で適度なスクリーンやハンマー枚数、クリアランス等を設定すると言う考え方が必要です。



  お問い合わせは下記フォームからお願い致します。

フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。

恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。



Top Page | 戻る


「ちょっと便利なユニークな会社」粉砕機の槇野産業株式会社
電 話:03-3691-8441
FAX:03-3691-8445
お問い合わせフォーム
Top Page会社の概要会社の沿革社長挨拶会社の特色テスト設備設備・プラント納入例納入実績
製品案内破砕粉砕分級・分離混合乾燥輸送管理設備技術情報
ものづくり向けデータベースサイト イプロスものづくり 槇野産業youtubeチャンネル